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2018-05-24

みなし残業が抱える問題点、正しく運用するために知っておくべき5つの注意点

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「ウチはみなし残業制だから、どんなに残業しても給料が増えることはない」と思い込んでいる人はいませんか。みなし残業制は、さまざまな問題点を抱えています。みなし残業を正しく運用するために、知っておくべき注意点について解説します。

みなし残業とは?

みなし残業制とは、あらかじめ給与の中に固定された残業代が含まれている制度のことをいいます。本来、残業手当は実際に残業した時間分を計算して支払うものですが、みなし残業制を採用している場合はこの計算を省き、初めから一定時間の残業をすることを見込んで給与が支払われます。

給与に含む残業代の程度は、企業によってさまざまです。例えば、月20時間分の残業手当が給与にあらかじめ含まれている場合は、例え、ひと月の残業時間数がゼロだったとしても、みなし残業が含まれている給与が全額支払われます。

みなし残業が抱える問題

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みなし残業は、残業するとしないとに関わらず一定の残業代が確保されているため、労働者にとって安心な制度のように見えます。しかし、みなし残業には、便利な制度ならではの問題点があります。

労働時間の管理がおろそかになる可能性がある

残業代がすでに給与に含まれているのだからと、労働時間の管理がおろそかになる可能性があります。労働時間を記録していないと、みなし残業分の残業時間を超過しても気づくことができません。

超過分の残業代が支払われない可能性がある

一ヶ月の残業時間が、給与に含まれるみなし残業時間分を超過したら、残業代が支払われなければなりません。しかし実際には、残業時間をきちんと確認せず、あるいは明らかに超過していてもなかなか上司に告げられず、サービス残業となってしまう場合が多いようです。

みなし残業時間分は「働かなければならない」と思い込むケースがある

みなし残業時間分の残業をしなかった月でも、きちんと固定給が支払われるのがみなし残業制です。ところが、「あらかじめ残業代をもらっているのだから、みなし残業分は働かなければならない」と思い込むケースがみられます。

また、「繁忙期は残業が多いけれど、他の月はほとんど残業がないから、帳尻を合わせればいい」という理屈でサービス残業をしてしまう人もいるようです。しかし、残業時間が超過した月があれば、月ごとにきちんと申請するのが正しい対応です。

みなし残業運用の5つの注意点

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みなし残業の問題点を解決するためには、運用時にどんなことに気をつけるのがよいのでしょうか。みなし残業自体は違法ではないため、トラブル回避のためにはそれぞれの企業が対策しなければなりません。注意点は次の5つです。

雇用契約書を取り交わす

基本給とみなし残業代、みなし残業代に含まれる残業時間をきっちり計算して給与設定し、設定額について記載した雇用契約書を取り交わしましょう。契約書には、固定残業代の超過分は上乗せして支払う旨を明記する必要があります。

残業時間の上限を守る

36協定により、1ヶ月の残業時間の上限は45時間とされています。この上限を上回らないように給与設定しましょう。

労働時間はしっかり記録する

超過残業代が発生したら労使ともに気づけるよう、労働時間はしっかり記録しておきましょう。記録により労働時間を見える化することが大事です。

超過分はきっちり支払う

一ヶ月の終わりには労働時間を計算しましょう。超過したぶんの残業代はしっかり支払います。

就業規則を定める

就業規則に、みなし残業についての項目を付記しましょう。個々の雇用契約書とは別に、超過分の残業代を支払うことや残業の少ない月でも固定残業代を支払う旨を書いておくと、いつでも誰でも参照することができます。

残業代のトラブルが起こらないように正しく運用しよう

サービス残業の慣例に甘えていると、後に問題化したときに未払いの残業代を一挙に支払わなければならなくなります。トラブルが起こらないよう、みなし残業は正しく運用することが大事です。「残業代を気にせず、どんどん残業させるための制度」ではなく、「あらかじめ、ちょっと多めに支払っておく制度」であると認識しましょう。

おわりに

みなし残業を採用し、サービス残業があるのに見て見ぬふりをしていると、ある日社員から訴えられてしまう日が来ないとも限りません。便利な制度だからと気軽に導入してはいませんか。労働時間をきちんと計算しなければならないことには変わりないのですから、この際、みなし残業がいいのか、月ごとに計算したほうがいいのかも検討してみましょう。


[最終更新日]2018/05/24

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