人事評価制度TOP > 人事評価制度の教科書 > コラム > 日本の経済と密接に関わっている『新自由主義』について解説

2018-06-28

日本の経済と密接に関わっている『新自由主義』について解説

shutterstock_1116171599


新自由主義という言葉を、新聞や書籍、ネットの経済コラムなどで目にする機会は多いと思われます。

ネオリベラリズム、略して「ネオリベ」とも呼ばれるこの考え方は、日本経済とどう関わっているのでしょうか。新自由主義について解説します。

新自由主義とは?

shutterstock_293417810

新自由主義とは、「小さな政府、市場の自由」を目指す考え方です。

主要産業が国有化され、公共事業が広く行われる「大きな政府」をやめて、さまざまな産業の民営化を進め規制緩和を行うことで、市場を活性化すべきであると主張します。

新自由主義が台頭してきたのは1980年代のことで、それまでは国家の経済的介入により雇用や社会保障が守られるべきという考え方が主流でした。

企業が自由に事業を行う放任主義的な国家のあり方が、世界恐慌をもたらしたという反省があったためです。

しかし、今度は政府が市場を囲い込み過ぎたようです。経済的停滞が起こるに従って「小さな政府、市場の自由」を求める声が高まり、世界的、同時発生的に新自由主義をもととした政策が実行されるようになりました。

新自由主義の経済史

shutterstock_292245068

実際にどのような新自由主義的政策が行われたのか、経済史を紐解いてみましょう。代表的な出来事が4つあります。

アメリカ・レーガン大統領のレーガノミクス

レーガノミクスは、1980年代にアメリカのロナルド・レーガン大統領が行った経済政策です。

当時、アメリカはスタグフレーションと失業に苦しんでいました。そこで減税を行って家計の活性化を狙い、規制緩和によって市場経済の回復を目指します。

また、社会保障費を縮小し、軍事支出を拡大することで経済発展を図りました。

イギリス・サッチャー首相のサッチャリズム

20世紀のイギリスは、「ゆりかごから墓場まで」がキャッチフレーズとなるほど福祉で守られた国でした。

しかしそのぶん国際経済に遅れを取ることになってしまい、経済停滞が深刻化したことを憂いて新自由主義に舵を取ったのが、マーガレット・サッチャー首相でした。

1980年代、サッチャー政権が確立するとサッチャリズムの名のもとに電気、ガス、水道、航空といった国営事業が次々と民営化され、また規制緩和が行われました。

そして所得税減税を推し進め、それと引き換えに消費税を増税して国民に家計管理を強く意識させることを目指しました。

中曽根康弘首相の三公社民営化

日本で新自由主義に基づく政策を行った人物として有名なのが、1982年から87年まで在任した中曽根康弘首相です。

日本専売公社、日本電信電話公社、日本国有鉄道の三公社を民営化し、半官半民だった日本航空の完全民営化を進めました。

小泉純一郎首相の聖域なき構造改革

2001年から2006年まで在任した小泉純一郎首相もまた、新自由主義の色濃い政策を行いました。

「聖域なき構造改革」をスローガンに、郵政事業と道路四公団を民営化し、小さな政府の実現を目指しました。また、労働者派遣法の規制緩和により、派遣社員として働く人の数が増加することとなりました。

今後の日本について

各政府が取った新自由主義的政策は賛否両論あり、また景気の変動や国内外の経済状況によって施策の結果も変わるため、簡単に成否を判断することはできません。

しかし、国家が管理していた主要産業や市場が、新自由主義的政策によりじわじわと民間の手にゆだねられてきたことは確かです。

一方で、国家によって雇用が守られる産業が減り、福祉も乏しくなったのだとしたら、弱い立場の人をどう守り、いかに工夫して働いてもらうかというのは、他ならぬ民間の課題ということになります。

市場を民間に開くことによって格差が広がったという批判もありますが、企業がイニシアティブを取り、また一人ひとりが声をあげることで、住みよい世の中を作り上げていく時代が来ているのではないでしょうか。

おわりに

新自由主義は、国民が福祉や雇用保障と引き換えに、自由と責任を受け取る経済思想です。五体満足で健康で、経済についての知識も仕事の能力もある人にとっては、願ったりの考え方といえるでしょう。

しかし世の中には、障害や病気、介護や子育て、教育の機会が与えられないなど、さまざまな事情を抱えた人がいます。

働く人たち自らが「誰もが協働できる社会」を実現していくことが、これからの時代に必要とされているといえるでしょう。

そのための施策がなされるかどうかを、労働者である私たちはチェックしていかなければなりません。


人事評価制度策定に役立つ各種テンプレート無料プレゼント

以下のフォームにご入力いただくと、ダウンロード用URLを記載したメールをお送りします。また、会社のビジョンを実現するための具体的実践例と成功のコツが満載の「山元浩二のメールマガジン」を月2回お届けします!

*
*
メールアドレス*
会社名*
役職*
業種

カテゴリー

日本人事経営研究室の書籍

このサイトについて

日本人事経営研究室
日本人事経営研究室が運営する人事評価制度をメインテーマとしたブログです。「急成長をしてきたが、社員が増えるにつれて一体感がなくなり、成長率が鈍ってきた」「社員の不満が多く、離職率が高い」「主体性を持って働いてもらいたいが、みんなが受け身で待ちの姿勢…」といった悩みをお持ちではありませんか? そうした課題の解決に人事評価制度が役立ちます。人事評価制度は社員の給料を決めるためだけのものではありません。社員のモチベーションを高め、正しく成長し、やりがいを持って働いてもらうための経営の屋台骨です。「人事評価制度の教科書」では、効果的な人事評価制度の設計方法から、導入・定着までのノウハウを具体的に、わかりやすくご案内していきます。

人気の記事

最新記事

運営会社

人事評価制度策定に役立つ各種テンプレート無料プレゼント