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2018-08-06

変形労働時間制を導入するメリットとデメリットとは?残業自家の削減効果に期待

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変形労働時間制は、業務の繁閑や特殊性に合わせて労働時間を適切に配分し、長時間労働を削減することを目的とする制度です。労働基準法では、変形労働時間を導入するための条件や残業手当の計算方法などについて定めています。今回は、変形労働時間制の仕組みやメリット・デメリットなどについてご説明します。

変形労働時間制とは?

「月初めは暇だけど、月末は忙しくていつも残業が発生する」「春と秋は忙しく、真夏や真冬は暇」など、仕事によっては月単位や年単位で忙しさに差があることがあります。同じ会社であっても、部門や事業所ごとに忙しい時期が異なることもあるかもしれません。
変形労働時間制は、労働基準法で定められている週40時間の法定労働時間を守っているかどうかを、1週間や1ヶ月、1年など、一定期間の範囲内で判断する制度です。
変形労働時間制には、次の4つの種類があります。

・1週間単位変形労働時間制
・1ヶ月単位変形労働時間制
・1年単位変形労働時間制
・フレックスタイム制

このうち1週間単位の変形労働時間制は、従業員30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店など、曜日によって忙しさに差が出る事業所のみ導入可能となっています。

変形労働時間制の単位期間 -1カ月単位、1年単位

変形労働時間制の中で主に活用されている、1ヶ月単位と1年単位の労働時間制についてご説明します。

1ヶ月単位の変形労働時間制

1ヶ月以内で期間を定め、その期間の労働時間が平均週40時間を超えなければ、特定の週または特定の日に法定労働時間(週40時間・1日8時間)以上働くことができる制度です。
働きすぎないように月に働く時間の上限も決められていて、次の計算式で計算します。

法定労働時間(40時間)×変形期間の暦日(31日以内)÷7

例えば、暦日が31日なら40×31÷7で、働くことができる上限は177.1時間となります。

1年単位変形労働時間制

1年単位の変形労働時間制では、期間は1年以内なら、2ヶ月や8ヶ月などと自由に設定できます。
ただし、働く日数や時間については次のような定めがあります。

・1日に働く時間の上限は10時間
・1週間に働く時間の上限は52時間
・連続勤務日数の限度は6日、特に忙しい時期であっても12日

変形期間が3ヶ月より長い場合は、さらに次のような定めがあります。

・1年に働く日数の上限は280日
・対象期間中の勤務時間が48時間を超える週は連続して3週以下
・対象期間の初日から3ヶ月ごとに分類し、週あたりの勤務時間が48時間を超える週の数は3つ以下

1年単位の変形労働時間制は、特定の期間に長い時間働かなければならないことから、1ヶ月単位に比べて厳しい要件が定められています。また、導入する時は就業規則に具体的な内容を定め、労使協定を必ず結び、労働基準監督署に提出しなければなりません。

変形労働時間制のメリット

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変形労働時間制の導入には、経営者にも従業員にもメリットがあります。仕事の忙しさに合わせて労働時間を設定できるので、経営者は忙しい時期の残業手当を削減できるでしょう。従業員は、忙しくない時期には早く仕事を終えたり長期の休みを取ったりと、メリハリのある働き方が可能になります。家族と過ごす時間を増やしたり、趣味の時間を充実させたりすることができるでしょう。

変形労働時間制のデメリット

変形労働時間制のデメリットは、導入にあたって効率的な労働時間の配分を設定したり就業規則を改定したりしなければならないことです。労働協定を結ぶまでに、一定の期間も必要でしょう。また、所定労働時間が一律ではないので、勤怠管理が煩雑になります。同じ事業所内においても、対象となる労働者や部門と、対象外の労働者や部門ができるケースもあります。また、法定労働時間の超過をチェックしなければならず、残業手当の計算も煩雑になりがちです。

企業に求められるワークライフバランス -変形労働時間制もワークライフバランスの取り組みのひとつ

働く人の労働環境やライフスタイル、価値観の変化に伴い、「ワークライフバランス=仕事と生活の調和」が今ますます求められるようになっています。従業員一人ひとりがそれぞれのワークライフバランスを実現できる労働環境を整えることが、企業にとって重要な経営課題なのです。

変形労働時間制を導入し月曜日から木曜日に働く時間を増やすことで、週休3日制を実現する企業が増えています。閑散期には長期間の休みも取りやすくなるでしょう。働く時間や日数を柔軟にすることで、仕事と生活が調和した働き方を実現できるのです。導入には決められた一連の手続きが必要で、導入後は勤怠・給与管理が煩雑になりがちですが、ワークライフバランスを実現するうえで効果的な取り組みといえるでしょう。

関連記事:ワークライフバランスで実現する調和のとれた働き方〜企業に求められる取り組み

まとめ

変形労働時間制の導入は、労働時間・日数の適切な配分、諸規程の整備、シフトの運用、勤怠管理、残業手当の計算など、煩雑で手間のかかる作業を伴います。また、社内の理解を深めるための交渉も必要です。しかし、変形労働時間制の導入は、残業手当の削減などといったコスト面でのメリットだけでなく、ワークライフバランスの実現というメリットもあります。ぜひ、変形労働時間制の導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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