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2017-05-17

無駄なプロセスや作業を見直して業務効率改善を実現するECRSの具体例

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業務上、無駄なプロセスや作業はないかと考えたとき、ECRSというフレームワークが役に立ちます。業務改善の仕組みであるECRSの原則と具体例について紹介しましょう。

業務効率を改善するためにプロセスを見直してみよう

会社をもっと成長させることはできないかを考えたとき、業務効率の改善は不可欠です。そのためには、スムーズに回っているようにみえる業務にも、もっと効率化できることがないかを見直さなければなりません。

業務改善のため、問題の洗い出しに役立つのがECRSの考え方です。業務のプロセスを全て書き出し、全てにおいて「E」「C」「R」「S」の原則が使えないかを議論することが重要になります。

アルファベットの順番は、考える順序を示します。それぞれの原則を解説し、わかりやすいよう具体例を挙げてみましょう。

ECRSの原則と具体例

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ここでは具体例として、営業マンAさんの一日の業務を取り上げてみましょう。

まず出社し、朝礼の後にメールチェック、アポ訪問、アポ取り電話などをこなすのが、Aさんの標準的な一日です。お昼を挟んで、また営業訪問を行ったり、予定によっては社内会議に出席したりします。

こうして定時を迎えますが、Aさんの仕事は終わりません。業務日報を作成し、会議の後には議事録をまとめ、期日が迫っている会議のプレゼン資料を作ります。

また、自らが指導役となっている新入社員から業務についての質問があれば、丁寧に教えてやらなければなりません。

こうしてAさんが完全に業務を終えるのは、午後7時から8時です。深刻な残業時間数とはいえませんが、新規の仕事を増やす余裕はありません。

なんとか業務効率を上げ、業績アップのために新しい案件を受け入れられることができるにはどうしたらよいか、ECRSを使って考えてみましょう。

E:Eliminate(排除)

「E」は排除を指し、あるプロセスそのものをなくすことができないかをまずは考えてみます。「E」(排除)は、実行できれば最もシンプルかつ効果の大きい改善法のため、まず検討することが重要です。

具体例に当てはめてみましょう。

まず考えられ、どの会社でも実行しているであろうことが、「直行・直帰」です。「とりあえず社に顔を出す」ことをやめるだけでも、時間の確保につながります。

また、定例で行っている会議など、なくせる会議はないかということも議論できるでしょう。会議自体は必要でも、Aさんが出なくてもよい会議には出ない、と決めてしまうことも考えられるため、Aさんにとっては「E」になります。

C:Combine(結合と分離)

「C」は結合と分離を指します。複数のプロセスを同時に行ったり、あるいは分離させたりすることで効率化を図るという意味です。

具体例に当てはめると、Aさんは営業職ですから、業務日報、メールチェック、営業メール、後輩へのチャット指導、プレゼン資料作りなど、クラウド環境が整えばクライアントへの移動時間内にできることが多い可能性があります。

なお、まとめられるような会議があれば同時に行えると、営業部門全体で大幅に時間をカットできるでしょう。また、新入社員の指導役は一対一でつくのではなく、指導の上手な1人の社員に専念させるということも「C」として考えられます。

なお、画期的な新商品を開発したときには、お客さまへ個別訪問で説明するのではなく、得意先を新商品発表会に招待するというのも、営業部門全体としての「C」の1つです。

R:Rearrange(入替えと代替)

「R」は入替えと代替を指す言葉です。順番を入れ替えたり、ある行為をより効率の良い行為に置き換えたりすることで同じ成果を出せないかを考えます。

Aさん個人でできる「R」としては、クライアントの訪問順をより移動時間が少なくなるよう組み替えることなどです。そのためには、アポ交渉時に訪問日時をAさんのほうから提案するなど、やりとりに工夫が必要になってくるでしょう。

なお、議事録は会議中に音声認識ソフトを発動させ、軽微な手直しで済むようにしておけばスムーズです。置き換え行為としての「R」となります。

S:Simplify(簡素化)

「S」は簡素化を指します。なくすことも、抱き合わせで行うことも、入れ替えることもできなかった業務を、何とかシンプルにできないかと考えるのです。

例えば、Aさんにとってプレゼン資料の作成は業務として欠かせませんが、社内会議のレベルなら手描きの図をスキャンして示せば十分、ということがあり得ます。上司がそれを容認する姿勢をまず示すのが重要です。

また、社内標準のテンプレートを用意し、「これを使うように」と上層部から指示があれば、たくさんの人の業務効率がアップするでしょう。

なお、社内のやり取りメールはあいさつを省略し用件のみとする、業務日報は必須項目を決めてしまい、それ以外は簡素なコメントのみとすると決めてしまうのも「S」の一つです。

これらの簡素化は、Aさんだけが実行するのは無理があるため、社内全体での取り組みが必要になります。

行動をしなければ改善はない

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事例ではAさん個人の仕事からECRSを考えましたが、社内全体でECRSを行えば、より根本的な業務効率化が狙えます。ただ、経営者の考えだけで一気に効率アップしようと大胆なECRSを行うと、細かな問題が生じてくることもあるでしょう。

社員が具体的にどんな仕事をしているのか、情報の吸い上げが必要です。

業務が細分化されている会社ほど、ECRSは難しく感じられることでしょう。しかし、行動をしなければ改善はありません。詳細に調査していけば、必ず改善できるところがあります。

おわりに

具体例で行ったAさんのECRSをすべて実行すれば、かなりの時間短縮が期待できます。Aさんが定時に帰れるうえ新規案件を担当できれば、新しい仕事のためだけに新入社員を入れ教育する手間が省けるはずです。

Aさんのお給料もアップして、やる気向上につながります。いいことづくめのECRSを今すぐ行うために、まずは全ての業務を見える化しましょう。


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