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2017-03-10

生産性向上に効果アリ?6時間勤務の導入で得られるメリットと問題点

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今は8時間勤務が当たり前でも、将来は6時間勤務が常識となるかもしれません。生産性向上のために、子育てや介護で優秀な人材が流出する可能性が非常に高い将来のために、短時間勤務に注目している経営者もいることでしょう。

そこで本記事では、6時間勤務のメリットと問題点について解説します。

スウェーデンで広がる6時間労働

福祉に手厚い国として有名なスウェーデンでは、1日6時間労働とする勤務体制が広がりつつあります。週40時間労働という世界水準を一気に30時間にまで短縮させる実験的な取り組みです。イエーテボリにある介護施設や病院などを中心とした試みがレポートされています。

例えば、イエーテボリの公営老人ホームでは、看護師を同賃金のまま6時間勤務としたところ、仕事の質とモチベーションがともにアップしました。各人が集中して仕事をするようになり、また離職率も減ったのです。

ただ、「人件費の負担が大きすぎる」とこの勤務体制に地方議員が反対する向きもあり、実験はまだ成功とも失敗ともいえない状態が続いています。

日本の企業に6時間勤務が導入された場合のメリットと問題点を挙げてみましょう。

6時間勤務の導入で得られるメリット

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仕事効率が向上する

単純に、8時間労働よりも6時間労働のほうが、気力が充実しているうちに仕事を終えることができますし、翌日への疲れの残り具合も違うはずです。結果、一人ひとりの仕事効率の向上が期待できます。

金曜日は「明日はお休みと思い頑張れても、水曜日、木曜日は中だるみする」というような、そんな経験のある人は多いはずです。でも、勤務時間が2時間短縮するとしたらどうでしょうか。毎日アフターにはプライベートを楽しめるため、いつもフレッシュな気持ちで仕事ができるため、自然に効率がアップするでしょう。

社員のストレスが軽減する

プライベートな時間が十分に確保できれば、仕事におけるストレスも十分に発散することができるはずです。その結果、社員のストレス軽減に寄与します。

拘束時間が長かった場合はなおさら、社員の顔が晴れやかになるのがありありとわかるでしょう。社内の雰囲気にも良い影響を及ぼします。

離職率が低下する

6時間勤務であれば、朝夕に幼稚園や学校の送り迎えができます。

介護が必要な親がデイサービスから戻ってくる時間帯に家にいることも可能なため、育児や介護のための離職を減らせるでしょう。

人材確保がしやすい

求人情報などで6時間勤務をうたえば、優秀な人材の目に留まりやすくなります。

採用試験や面接に、これまで以上に人が集まるようになるでしょう。

6時間勤務の問題点

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コストが増える

例えばサービス業の現場を6時間勤務にした場合、それまでの接客体制を維持するためには社員4人に対して1人を新しく配置しなければなりません。人的コストがかなり増えてしまうのは明らかです。

業態によっては、時短勤務の導入が難しい職場もあるでしょう。

コミュニケーションの時間が減る

働く時間が2時間減れば、社員はそのぶん集中して仕事に取り組むことになります。生産効率がアップするのは喜ばしいことですが、コミュニケーションの時間が減ってしまうことは否めません。

「休憩時間の談話が唯一の楽しみ」「無駄話のなかにアイディアがある」といった社員も、なかにはいるはずです。殺伐とした雰囲気に耐えかね、離職のきっかけとなってしまうかもしれません。

また、時間が足りず報連相がおろそかになることも考えられます。より効率的な意思疎通の手段について考える必要があるでしょう。

取引先の理解が得られづらい

取引先と同じような時間帯で働けないと、迅速に対応できないシーンがたびたび出てくると考えられます。時短勤務について理解が得られれば良いですが、日本ではまだまだ認知度が低く、理解が得られづらいといわざるをえません。

対応の遅さに立腹してしまう取引先が現れてしまうことが想像できます。

時短勤務を導入すれば人事評価制度を見直さざるを得なくなる

それまで長時間労働そのものに対して「非常によく頑張っている」などと評価を与えていた会社は、6時間労働に切り替わったとたん、評価制度を見直さなければならないでしょう。

実績だけではなく、作業効率や限られた時間内でのコミュニケーションの豊かさなどについても人事評価を下す必要が出てきます。

「働き方改革」が叫ばれる昨今、実はこのような評価制度はこれからの働き方に必要なものです。6時間勤務を導入することをきっかけとして、新しい人事評価制度の仕組みづくりをしておくと、今後の安心につながります。

おわりに

6時間勤務の導入は、社員のモチベーションを引き出し、離職率を低下させる可能性が高い手段です。しかし、業態が短時間勤務に合っていないと様々な問題を生み出す危険があります。

短時間勤務を導入する場合は、どのようなメリットと問題点が考えられるかをきちんとシミュレートし、検討しましょう。


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